拡張機能に注目したポータブル電源の選び方

  • 2021年12月16日
  • 2021年12月20日
  • 選び方
  • 313view

拡張機能に注目したポータブル電源の選び方

2021年現在のポータブル電源の拡張機能に注目した選び方を記述していきます。

安全性重視ならリン酸鉄リチウムイオンバッテリー

正しく使用していればポータブル電源の発火事故などは滅多に起こりませんが、それでも数年前のコバルト系リチウムイオンを使用しているポータブル電源は、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーと比べて発火リスクは高いでしょう。

エネルギー密度が低いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、モバイルバッテリーなど小型なものには向きませんが、ある程度の大きさが確保できるポータブル電源との相性はよく、サイクル寿命も従来リチウムイオンは500回程度のところ、2000回以上となっているので今後の主流となる可能性が高いです。

Qi充電(スマホのワイヤレス充電)対応か

Qi規格のワイヤレス充電に対応しているかどうかですが、日常使いとしてスマートフォンの充電を置くだけでできて、且つ、停電時の電源や、キャンプ時の持ち出しもできるとなると、「お買い得感」は高くなると思います。

ワイヤレス充電に注目してポータブル電源を選ぶのもありだと思います。

パススルー機能の有無 / UPS機能の有無

ノートパソコンの場合は電源を持っているので急な停電でも影響は少ないですが、デスクトップパソコンや冷蔵庫などで商用電源と機器の間につないで運用することで、安心感が得られると思います。UPSの導入を検討している場合、ポータブル電源も候補に入れてみると費用対効果が高いケースもあるかもしれません。

急速充電対応(充電時間)

日々、充電と放電を繰り返すような使用要件では、充電時間の短縮も選定基準になると思います。最近では建築現場で電源が取りづらい場所での電源使用で使われているケースも有り、お昼休憩時間にポータブル電源を80%まで充電できるなら使い勝手がかなり良くなる、という場合もあるようです。

LEDライト機能

多くのポータブル電源にはLEDライトがついている事が多いので選定基準になるかどうかはわかりませんが、SOSのモールス信号で点灯するLEDライトもあり、寝室に備蓄しておいて、災害時のイザというときに力を発揮することを想定できるかもしれません。

移動しやすさ(大容量でキャスター機能)

2000Wを超える大容量ポータブル電源は、持ち上げるよりもキャスターで移動することを想定しているモデルが多いです。備蓄場所と停電時の使用場所が離れている場合は、移動しやすさも選定基準になると思います。

防災安全協会推奨製品

第三者機関である一般社団法人防災安全協会の審査に合格した商品につけることができます。より安心して使用することができるため、この推奨品マークがあるものという選定基準もありとは思います。もちろん、推奨品マークが無いと安全ではない、ということではないので

自己放電率(保存性)

自己放電率は、仕様で公開しているメーカーはほとんどありません。一部、リン酸鉄リチウムイオンのポータブル電源で、「自己放電率は月に約1%」と謳っている製品もあり、例えば一度フル充電したあと電源OFFで備蓄し、1年後でも約88%のバッテリー残量がある計算なので、例えば半年に1回充電するという運用なら、停電時に94%以上の充電容量で停電時に対応できます。

備蓄を前提にしたポータブル電源の購入であれば、自己放電率の低い「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」を使ったポータブル電源が良いでしょう。

周波数切替機能のチェック

こちらは選定基準になる、というよりは、特定の周波数でないと正しく動作しない機器を使用予定の場合は、周波数のチェックや切り替え機能の有無をチェックしておいたほうが良いでしょう。

EV充電機能 / EV出力機能

EVステーションでの急速充電に対応したり、EV(電気自動車)への充電が可能なポータブル電源もあるため、現在電気自動車に乗っていて長距離の移動で充電に不安がある場合は、トランクにEV出力可能なポータブル電源を載せておけば、たとえ十数キロといえど走行できる予備の電源があると安心かもしれません。

今後の日本では急速に電気自動車にシフトしていく中で、ガソリンなら数分で給油が終わるところ、EV充電ステーションでは約30分の充電時間がかかるため、電気自動車先進国のノルウェーなどでは電気自動車の充電待ち渋滞が問題になっているようです。

数年後にはポータブル電源にはEV出力機能が当たり前についている時代が到来するでしょう。

バッテリー増設機能

本体以外に、バッテリー部分のみを増設したり、本体2台を接続して大容量ポータブル電源として運用できたりするモデルも登場してきました。

大容量が必要なビジネスシーンや避難所などでの選択肢の幅がひろがるでしょう。